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手術中のガーゼカウント
以前から手術時の体内への異物残存は度々報告されてきました。医療事故情報収集事業によると2005年の第1回報告書から個別テーマとしてたびたび取り上げられており、2015年10月以降にも再発・類似事例として72件の報告があるようです。
その中でも「体内へのガーゼの遺残」について、医療事故情報収集事業第54回報告書の内容より紹介したいと思います。
ガーゼ枚数とガーゼの付着量を測定してくれる『ガーゼ付着量測定装置 カウン太くん』
体内にガーゼが残存した事例
医療事故情報収集等事業第54回報告書によると、2015年10月から12月までに9件、2016年(1月~12月)22件、2017年(1月~12月)26件、2018年(1月~6月)15件と毎年必ず発生していることがわかっています。体内に残存したガーゼは『ガーゼオーマ』となる可能性があるため注意が必要です。
体内にガーゼが残存した事例の報告件数
1~3月 |
4~6月 |
7~9月 |
10~12月 |
合計 |
|
---|---|---|---|---|---|
2015年 |
9 |
9 |
|||
2016年 |
6 |
2 |
7 |
7 |
22 |
2017年 |
4 |
4 |
10 |
8 |
26 |
2018年 |
4 |
11 |
– |
– |
15 |
※医療事故情報収集等事業 第54回報告書(2018年4月~6月)より
体内に残存したガーゼの種類
体内に残存したガーゼの種類は、主にX線不透過ラインの入ったガーゼが53件、不透過ラインの入っていないガーゼが5件で、診療科別では症例数が多いためか外科・消化器外科・肝胆膵外科で24件と多く、ついで産科・婦人科で16件と腹腔内で残存したケースが多いです。
関与が推測される要因
体内に残存してしまう要因としては緊急手術、複数診療科が関与する手術で8件ずつ発生しており、大量出血(予想外の出血)が7件、術式変更が6件と手術室内がバタバタとしている雰囲気で発生していることが多いと思われます。
残存に気が付いた時期
手術室内で気が付いた事例は21件で、手術室退室後から退院までに気が付いた事例が29件あったようです。そのため、手術室内で正確なガーゼカウントをしておくことが重要になります。
ガーゼ枚数が合わなかった場合について
ガーゼ枚数が合っても合わなくてもX線撮影によりガーゼを発見した事例があります。
手術室内でX線撮影を実施した30件のうち、枚数が合っていない状況で発見したのは5件、枚数はあっている状況でX線撮影し発見したのは4件で、先入観を捨ててガーゼの枚数確認は実施しなければならないことがわかります。
カウント状況とX線画像によるガーゼ類の発見
カウントの状況 |
X線画像によるガーゼ類の発見 |
件数 |
|
---|---|---|---|
発見した |
発見できなかった |
||
カウントが合わず |
5 |
1 |
6 |
カウントが合っている状況で |
4 |
20 |
24 |
合計 |
9 |
21 |
30 |
まとめ
上記のようにガーゼのカウント業務は、その他の業務を行いながらでも、ガーゼオーマなどを防ぐためにも正確に行わなければならない業務になります。そのため、カウント業務を確実に行うために一枚ずつガーゼを裁き、数えることも重要になります。
そこで少しでも余裕をもってガーゼ枚数をカウントすることと、同時にガーゼの付着量の測定が可能な『カウン太くん』が役に立ちますので、ご興味のある方は弊社までご連絡ください。『カウン太くん』はガーゼを実際に触れる機会が減りますので、感染対策にも貢献します。
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