EtCO₂とは?
EtCO₂とは、呼気終末二酸化炭素ガス分圧のことです。(単位:mmHg)
呼気終末の肺胞内でのCO₂分圧で、患者が呼気として出したCO₂を検出し、体内に残されたCO₂量のトレンドなどを追えるような数値です。一般的に自発呼吸下での正常値は、35~45mmHgとされています。そのため、自発呼吸の有無を確認したり、人工呼吸器の換気回数設定が適切かを判断する指標となります。実はこのEtCO₂、臨床現場でも非常に重要なパラメータとして重宝されております。
EtCO₂でわかること
手術中やICU加療中などの急性期に多くモニタリングされているEtCO₂ですが、カプノメータや生体情報モニタに連続モニタリングをされていることが一般的です。
モニターで表示される数値や描出される波形で、患者の呼吸状態ならびに全身状態を推測することができます。
EtCO₂が低下する要因 |
EtCO₂が上昇する要因 |
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上記のように肺血流量が変動することで、肺へのCO₂運搬に影響を及ぼすため、EtCO₂変動の原因は肺疾患や心疾患の存在によっても、手術体位や医療機器由来の原因によっても、変化が起こります。
モニター表示
EtCO₂ですが、実際モニターにはどのような波形として表示されるのか、見て行きましょう。
上の図は実際のモニター表示レイアウトです。1番上の白い波形がEtCO2の波形になります。
図のように台形様の波形が描出され、この波形の形状や面積から患者の状態を把握することもできます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?EtCO₂のモニタリング1つでも、これだけの患者の状態をアセスメントすることができます。もちろん臨床現場において、1つのパラメータだけで患者の状態を完全に把握することは絶対に不可能です。しかし1つ1つのパラメータの意味を把握することで、よりよい患者状態の把握に繋がると思います。以上、とっても役立つEtCO₂のお話でした。次回もお楽しみに!