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目次
人工心肺とV-A ECMOの違い
人工心肺とECMOは、どちらも患者さんの心臓や肺の機能を代行・補助します。
双方とも心臓の機能を代行・補助しているのですが、人工心肺とV-A ECMOは使用される場面が異なります。人工心肺は、心臓血管手術中の「心臓と肺の代行」として心臓と肺の働きの全て(100%)を代行するのに対し、V-A ECMOは回復の見込みがある急性心不全に「心臓補助」として使用され、心臓の働きの一部(50~70%)を補助します。また、人工心肺装置は手術中に使用することから、導入には開胸(胸を切り開くこと)が必要ですが、ECMOは経皮的(開胸せずに治療を行うこと)に導入できるため、1秒でも早く心臓を補助したい場合にも使用されます。
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回路の違い
回路にも大きな違いがあります。
人工心肺の回路は血液の一部が空気に触れている「開放回路」に対し、V-A ECMOの回路は血液が空気に触れていない「閉鎖回路」です。また、人工心肺の回路には貯血槽(リザーバー)が組み込まれています。リザーバーには、脱血した血液や心腔内や心嚢内より吸引した血液を貯蓄しますが、それらの血液内には血栓、凝血塊、組織片が含まれ、術野の血液には気泡も含まれるため、リザーバーにはフィルターによる除去機能が備えられています。さらに、血液を4L程度貯めることができるため、患者さんの血液量を調整することも可能です。
人工心肺では、血液量の調整の他に、手術の手技や患者さんの状態に合わせた複雑な操作が必要であるため、専門的な知識を持った常時の操作者(臨床工学技士)が必要です。一方、V-A ECMOは1基のポンプを調整するシンプルな操作であるため、常時の操作者は必要ありません。
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人工心肺とV-A ECMO、V-V ECMOのまとめ
人工心肺とV-A ECMO、V-V ECMOの一般的な特徴をまとめると以下の通りです。
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