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ECMO(エクモ)とは何か?

administrator 2022.02.01 2023.08.07

ECMOとは

昨今の新型コロナウイルス感染症の重症患者さんに対する治療として「ECMO(エクモ)」という言葉を耳にする機会がとても増えたと思います。

ECMOとは、extracorporeal membrane oxygenation「体外式膜型人工肺」の略であり、PCPS:percutaneous cardio pulmonary support「経皮的心肺補助」とも呼ばれる治療法です。シンプルに言ってしまうと、心臓や肺の役割の代わりとなり休ませてあげる対症療法であり、医療現場では心臓の補助を目的として使用される機会が多いです。

補助する対象が心臓の場合はVーA ECMOと呼ばれ、肺を対象とする場合はV-V ECMOと呼ばれています。

 

ECMOの適応

ECMOが適応となる病態は、重症呼吸不全をはじめ心原性ショック、急性心筋梗塞、心不全といった様々な病態が適応となります。

 

V-A ECMO

V-A ECMOは心臓を補助しますが、心臓の機能はポンプのように全身に血液を送り出しており人体において一番重要な臓器といっても過言ではありません。しかし、心臓の機能が低下してしまうと全身に十分な血液を送り出すことができなくなります。つまり、酸素を含んだ血液が全身に行き渡らないことにより、全身の臓器が酸素不足となり機能が低下してしまいます。

心臓の機能が低下しますと、私たちの身体はより酸素を取り込もうと呼吸回数を増やしたり、心臓を早く動かすことで血液を全身に行き渡らせようとします。酸素療法や薬物療法で改善を図りますが、重症な場合はECMOが適応となり患者さんの心臓を休ませてあげ回復を待ちます。

 

V-V ECMO

一方V-V ECMOは肺を補助しますが、肺の機能は酸素を取り込み体の中で作られた不要な二酸化炭素と交換する臓器です。新型コロナウイルスをはじめ、様々なウイルスや細菌に感染し肺炎になってしまうと肺の機能が低下し、酸素が取り込めなくなってしまいます。つまり、呼吸ができなくて溺れている状態です。

そこで、人工呼吸器を装着しガスを送り込むことで肺を膨らませ呼吸のサポートを行います。しかし、人工呼吸器を装着しても肺のダメージが大きく十分な酸素を取り込めなくなった場合にECMOが選択され、ECMOを装着することで患者さんの肺を休ませてあげ回復を待つ治療です。

 

ECMOの構成

ECMOは、装置(ドライバユニット、ガスブレンダー、冷温水槽)、遠心ポンプ、人工肺・回路、患者さんと回路を接続するカニューレといったように様々な機器や物品によって構成されます。

ただし、ECMOは患者さんの身体への負担が大きく、医師、看護師、臨床工学技士をはじめとする多数の医療従事者の力が必要となり、習熟した知識と技術が求められる治療になります。

 

参照:ECMO(エクモ)回路とシステムの構成について

参照:体外循環に使用される人工肺って何?

 

関連製品情報

メラ遠心血液ポンプシステム HCS-CFP

メラ遠心ポンプ HCF-MP23H

メラエクセライン回路HP2 PCPS回路 SOLAS

経皮的挿入用カニューレ

ECMOトレーニングVR

 


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