人工肺とは?
人工肺は、生体の肺の機能を代行するもの
製品情報:(左)メラNHPエクセランTPC HPO-23RHF-CP/HPO-23H-CP/HVR-4NFP
メラNHPエクセランNSH-R HPO-23WRHF-C/HPO-23WH-C/HVR-4NWF
(右)メラFHPエクセラン HPO-21FHP-PR/HPO-21FHP-P
・肺の機能は?
肺の機能は、呼吸すること=酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出するガス交換を行うことです。
・なぜ呼吸をするのか?
生きるためのエネルギーを産生するための過程で酸素を使用し、二酸化炭素が発生するためです(好気性代謝といいます)。
・どうやってガス交換するのか?
肺胞と、肺胞を取り囲む毛細血管で、拡散の作用によってガス交換が行われます。
・拡散とは?
物質の濃度が高い方から低い方へと移動し、 同じ濃度になろうとする動きのことです。
おでんに味が染み込むのも「拡散」の原理
人工肺でガス交換を行うしくみ
・人工肺の構造
人工肺は「中空糸」という中が空洞のストロー状の糸を束ねた中空糸膜からできています。
成人用人工肺には、約1万本の中空糸が使用されています。
中空糸の内側をガス(空気と酸素の混合ガス)が流れ、外側を血液が流れます。
中空糸は外径が約0.2~0.3mmで、目には見えないほど小さい孔(直径約0.00003mm~0.00007mm)がたくさん開いています。
その孔を通して拡散によってガス交換が行われます。
ガスの酸素濃度・流速、血液の流速を変化させることで、ガス交換の効率を調整できます。
・面積
成人の肺胞の表面積を合計すると約60~70m2(テニスコートの1/3)であるのに対し、成人用人工肺の中空糸の面積は合計2m2前後です。
・素材
ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、シリコーンゴム
・熱交換器
人工肺には熱交換器が付帯しています。
冷温水槽と接続することで血液の冷却や加温ができます。
・人工肺を使用するのはどんな人?
心臓の手術を受ける患者さん(手術中に自己肺への血流を止める場合)
心機能や肺機能が弱っている患者さん
・専用の装置
人工肺は回路とともに専用の装置に取り付けて使用します。
装置を操作することで、人工肺に流す血液流量やガス流量を調整します。
人工肺や回路のトラブルを未然に防ぐため、様々なアラーム機能を有しています。
製品情報:(左)メラ人工心肺装置HASⅢ (右)メラ血液ポンプシステム HCS-CFP