みなさんは「介護食」という言葉を聞いたことがありますか?
通信販売やスーパー、ドラックストアといろんな場所で購入できます。
今回は、介護食について一緒に勉強していきましょう。
なぜ介護食が必要なのか
一般的に、加齢に伴って全身の筋肉が衰えていくとともに、口腔と摂食嚥下の機能も衰えていきます。また、加齢や疾患の影響により嚥下反射(いわゆる「ごっくん」と飲み込む反射のこと)のタイミングのずれや働きが弱まると、誤嚥(食べ物が気管に入ってしまうこと)が生じやすくなります。そのため、弱まった摂食嚥下の機能を補って、安全に食事するために介護食が必要となります。
農林水産省によると、介護食品は「食機能に問題はないが、健康な体を維持し活動するために栄養補給を必要とする人向けの食品」「飲み込む機能に問題がある人向けの食品」「噛む機能に問題がある人向けの食品」と整理されています。
「高齢者と口腔と摂食嚥下の機能維持・向上のための取組に関する調査」
平成29年1月 厚生労働省アフターサービス推進室 P14、P15より引用
介護食の対象
「日本介護食品協議会」によると、
・高齢者にとどまらず、一時的に摂食能力が低下した方々(口腔の手術後など)も想定とする
・介護を受ける方だけでなく、介助なく食事ができても硬いものは食べにくいといった方々も含める
・医療用食品や高齢者食品と限定したものではない
と述べられています。
年齢や疾患にとらわれず、摂食嚥下機能に介助が必要な方が広く対象となるようです。
介護食の種類
介護食の種類については、日本摂食・嚥下リハビリステーション学会が出している「嚥下調整食分類」、日本介護食品協議会が出している「ユニバーサルデザインフード」、農林水産省が出している「スマイルケア食」などがあります。
下記のように介護食品の選び方を図解している資料が公表されています。しかし、実際に介護食を利用する際には、必ず医師・歯科医師・管理栄養士などの専門職に相談しましょう。
●農林水産省「スマイルケア食の選び方」
参考資料