筋弛緩状態のモニタリング
世界的にも筋弛緩状態のモニタリングの重要性は謳われており、日本でも
筋弛緩状態のモニタリングの重要性が高まりました。
では筋弛緩モニターとはどのようなものなのでしょうか。
どのような時に使うもの?
主に全身麻酔での手術の際に使用されます。
筋弛緩モニターとはその名の通り、筋弛緩の度合いをモニタリングしています。
全身麻酔には三要素と言われるものがあり、「鎮痛」「鎮静」「筋弛緩」がそれにあたります。
患者様の痛みを緩和し(鎮痛)、意識を喪失させ(鎮静)、全身を不動にさせ(筋弛緩)手術中の視野確保を目的としています。
これら3つの要素はバランスよく行うことで全身麻酔が成り立っています。
麻酔科の先生方は患者様に合わせてバランスを考えて管理しています。
麻酔の三要素の中にある「筋弛緩」。この部分をモニタリングするために
筋弛緩モニターは使用されます。
筋弛緩とは
筋弛緩は筋弛緩薬と拮抗薬という薬を使います。筋弛緩薬は患者様の筋肉を弛緩させるため、拮抗薬は筋弛緩薬で筋弛緩している状態から通常の弛緩していない状態に患者様の状態を戻すために使用されています。
筋弛緩状態の程度をモニタリングすることは筋弛緩モニターを使用することで、筋弛緩状態の維持や拮抗薬投与のタイミングなどを把握するために使用されています。
筋弛緩モニターってどうして必要なの?
(公社)日本麻酔科学会の「安全な麻酔のためのモニター指針」では、以前までは「筋弛緩モニターは必要に応じて行うこと」という指針で、筋弛緩のモニタリングは任意での使用を求められていました。
しかし、筋弛緩の再クラーレ化(筋弛緩拮抗薬の投与後、筋弛緩状態からの回復後に再度、筋弛緩の再発が起こること)が改めて問題視されるようになり、(公社)日本麻酔科学会の「安全な麻酔のためのモニター指針」でも、現在では「筋弛緩モニターを使用して筋弛緩状態をモニタリングすること」という指針に改訂され、筋弛緩モニターの使用が推奨されるようになり、筋弛緩モニターの必要性がより高まってきています。
筋弛緩モニターの必要性は、全身麻酔の導入時・維持・覚醒時に必要になるだけではなく、神経筋モニタリング(MEP)が必要になる手術では、筋弛緩レベルを一定に保つために筋弛緩モニターは大いに貢献しています。
重症筋無力症の患者様にはできるだけ筋弛緩薬が少量で済むように調整するため、筋弛緩モニターが必要となっており、筋弛緩モニターの活躍は多岐にわたっています。
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