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酸素の吸入方法
酸素の吸入方法には、以下に示す3つのシステムに分類されます。
①低流量システム
②高流量システム
③リザーバシステム
ただし、上記の3つの分類は酸素の流量を意味しているものではなく、患者が必要とする1回換気量を超える「酸素」と「空気」の混合ガスを供給するかしないかを意味していることが注意点になります。
今回は、リザーバーシステムについて説明します。
リザーバーシステムとは
酸素チューブから流れる酸素とリザーババッグに貯まった酸素を吸入するため、高濃度の酸素吸入ができる
リザーバシステムは、リザーババッグとマスクを組み合わせた製品で、リザーババッグとマスクの接合部、マスクの側方(左右両側あるいは片側)にそれぞれゴム弁(一方向弁)が付いています(メーカーによっては、整合部、側方にゴム弁がなく、呼気の一部を再呼吸させる製品もあります)。
呼息相(呼気時)にリザーバ内に酸素を蓄え、吸息相(吸気時)にリザーバに貯まった酸素、チューブから供給される酸素、マスク内に貯まった呼気ガスを吸入します。
リザーバ付酸素マスク
供給できる酸素濃度
マスク内に貯まった呼気ガスの再呼吸を防止するため、酸素流量は、6L/分以上にし、かつ、リザーババッグが空にならないよう酸素流量を設定する。酸素流量と吸入酸素濃度の関係する表になります。
注意すること
吸気時にリザーババッグがしぼむことを確認することです。また、リザーババッグが空にならないように酸素流量を調整する必要があります。
吸入酸素濃度が60%以上を期待して使用されますが、マスクと顔の隙間から空気が入りこむため、予想した吸入酸素濃度に達しない場合があります。
1回換気量が多い(深呼吸)と、リザーババッグが空になり、それ以上の呼吸ができなくなります。その場合は、マスクの側方の孔から外気を取り入れます。二酸化炭素の蓄積を防止として、マスクの両側の内、片方にゴム弁を設置しています。
リザーババッグで安定した酸素吸入できない場合は、高流量式鼻カニュラあるいは高流量ネブライザー式酸素吸入器を検討します。
まとめ
今回は、「リザーバシステムを利用した高濃度酸素マスク」について記載しました。次回は「第八章 気管切開患者への酸素療法」について説明します。もし、酸素療法に興味がありましたら下記の製品情報、その他お役立ち情報へアクセスしてみてはいかがでしょうか。
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