酸素の吸入方法
酸素の吸入方法には、以下に示す3つのシステムに分類されます。
①低流量システム
②高流量システム
③リザーバシステム
ただし、上記の3つの分類は酸素の流量を意味しているものではなく、患者が必要とする1回換気量を超える「酸素」と「空気」の混合ガスを供給するかしないかを意味していることが注意点になります。
今回は低流量システムについて説明します。
低流量システムとは
低流量システムに分類される器具
低流量システムは、患者が必要とする1回換気量以下の酸素ガスを供給する方式です。
低流量システムには①鼻腔カニューラ②簡易酸素マスク③オキシアーム④経皮気管内カテーテルがあります。リザーバー付マスクも低流量システムとして分類される場合もあります。
①鼻腔カニューラ
②簡易酸素マスク(中濃度酸素マスク)
低流量システムの酸素濃度に関する見方
低流量システムで使用する器具は、商品に明記されている(あるいは添付文書等に記載)酸素濃度は、目安でしかありません。前述で記載した通り、患者への吸気流量が酸素濃度に影響を及ぼすため、患者の呼吸パターンが変化すると患者の吸入酸素も変化します。
◆酸素吸入濃度の計算式
(1秒当たりの吸入酸素量+0.21(1回換気量-吸入酸素量)/換気量
例として、流量計から酸素ガスを3L/min(50mL/sec)流した場合
1回換気量が200mLの場合の酸素吸入濃度は、
(50+0.21(200-50)/200=0.407 → 40.1%
しかし、何らかの理由で1回換気量(200mL→500mL)が上昇した場合の酸素吸入濃度は、
(50+0.21(500-50))/500=0.289 → 28.9%
そのため呼吸が安定している患者に使用されるケースが多いです。
まとめ
今回は、「低流量システム」について記載しました。次回は「第五章 高流量システムの基本」について説明します。もし、酸素療法に興味がありましたら下記の製品情報、その他お役立ち情報へアクセスしてみてはいかがでしょうか。
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